
「しぜんとわ」について
◆ 原点の問い(現状と課題観)
かつて日本の暮らしは、自然と密接に結びついていました。
季節の移ろいに耳を澄ませ、山や川の恵みをいただき、祈りとともに日々を営んできた人々の姿がありました。北アルプス山麓地域、とりわけ中山間地には自然資源と共に生きる暮らしの知恵が今も静かに息づいています。
しかし、高度経済成長と社会の効率化により、私たちはそうしたつながりを急速に失ってきました。都市化の進行により、自然や地域資源の価値を感じる機会は減少し、同時に、人口減少、環境劣化、文化の断絶といった複合的な課題が地域社会の持続可能性を脅かしています。
このような状況下において、いま私たちに問われているのは、「ただ生きる」ではなく、「どこで、どのように生きるか」。
北アルプス山麓の自然に寄り添いながら暮らしてきた安曇野の風土には、これからの時代を生きるために必要な持続可能な暮らしのヒントが眠っています。
私たちは、「自然とは?」という根本的な問いに立ち返り、先人たちの自然とのかかわりの知恵を学び、足元の自然資源を活かしながら、自然と共にある暮らしを再構築していくことで、持続可能な地域社会の創造に寄与していきたいと考えています。
◆ ビジョン(私たちのめざすもの)
「自然とは、人間の外側にあるものではなく、私たちの生き方そのもの」
この視点に立ち返ることで、都市と地方、経済と環境、人と自然が調和する循環型の社会を目指します。足元の資源に気づくところから始まる、新しい循環。自然の恵みと暮らしの知恵を地域の内外で共有しながら、一人ひとりが関わり合いのなかで育む「生き方の選択肢」を広げていきます。
◆ 団体名に込めた想い
「しぜんとわ」という名称には、6つの意味が込められています。
- 自然と和(なごむ)
- 自然と我(われ)
- 自然と輪(つながり)
- 自然と環(めぐる)
- 自然永遠(とわ)
- そして、「自然とは?」という問いを持ち続けること、それは、自然とともにある暮らしを紡ぎなおすという私たちの意志そのものです。
